戦場の狂気に呑まれた一人の少年の話

はじめに

この記事はCCS✝裏✝Advent Calendar 2018 12/22の記事です。
前日の記事はこちら
-Project DIVA-extendで激唱やってPSPのボタン潰したこと思い出して泣きそうになりました。

前提

戦場の絆 is 何

戦場の絆とは、バンダイナムコエンターテインメントが送り出すガンダムをテーマとしたアーケードゲームである。実際にガンダムを操縦しているような体験をすることができる。2006年より稼働しており現在13年目に突入している。ドーム状の筐体が特徴的で、左右のボタン付きレバー(操縦桿)と2つのフットペダルを用いて機体を操縦する。

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筐体

ゲームシステム

プレイヤーは地球連邦軍ジオン軍に分かれて4vs4~8vs8で対戦をする。VS. シリーズお馴染みコスト制を採用しており、相手の機体や拠点を破壊するとそのコスト分だけ相手の戦力ゲージが減少し、先に相手のゲージをなくすか時間切れによる戦闘終了時にゲージが多いほうが勝利となる。

詳しくは?

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悲劇の始まり

2008年(だっけ?)、当時中学1年生の少年はたまたま寄ったゲームセンターにて戦場の絆との出会いを果たす。当時の戦場の絆の1PLAY料金はなんと500円であり、破格の値段であった。おのれバンナムにもかかわらずガンダム好きな少年は実際に機体を操縦する感覚にガンギマリしてドンハマりしてしまう。
戦場の絆のデータは当時パイロットカード(300円。おのれバンナム)を用いて保存されていた。

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好きなガンダムがバレるPN

さてお気づきになられただろうか。このカード、 1データにつき1枚である。つまりジオンと連邦の両方をプレイするためには2枚必要なのである。
さらにこのカード、使用回数に制限があり100回プレイすると新たにカードを発行し更新しなければならない(当然300円。おのれバンナム)
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どんどんボロくなっていく
以上を踏まえたうえで次の画像を見てみよう。
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さぁ、よいこのみんな!おうちのおかあさんといっしょにけいさんしてみよう!
500×100×6+300×6=301,800というのは大袈裟な計算でこの1プレイ500円という設定、あくまでバンナムが提示してきた値段であり、そんな値段ではユーザーが残るはずがないということを知っていたゲーセン側はそれぞれ独自の金額設定を行っていた為実際には半分ぐらいの金額である。(厨房が15万使っただけでも十分狂気だが)
このパイロットカードシステムは2011年7月を境目に廃止となり現在に至るまでバナパスポートカード(300円。おのれバンナム)によるデータ管理になっている。バナパスポートカードでは1枚で連邦とジオンの両軍を登録でき、使用回数制限もない上に戦場の絆以外のアーケードゲームのデータも登録できる。やったね。
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一体何を学んだのか

狂気に囚われた少年

当時のガンギマリ具合で読者をドン引かせたでさらにおみまいしていこう。
この戦場の絆というゲーム、とても奥が深いゲームで機体の操縦技術以外に戦術、戦略が勝敗に大きく関わってくる。操縦技術はぶっちゃけ回数やりこめば自然と上達していく。しかし立ち回りの部分は何も考えナシに回数を重ねても上達しないことを少年は知っていた。そこで少年は初めに「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という孫子のありがたい言葉のもと、機体に関わるデータ全てを頭に叩き込んだ(ソースはwiki)。そして少年は歩くwikiとなった。全ての機体(100機近く)の機体性能及び武装の威力や射程などありとあらゆる数値を記憶した。wikiページをそのまま紙に書き起こせるレベルだった。

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少年の当時の様子(イメージ)
実際これは効果があり、対面ではほぼほぼ優位に立つことができた。しかし戦場の絆は最低でも4vs4の対人戦であり、1vs1になる場面は比較的少ないのである。その上、相手1人に勝ったところで戦局全体に大きく影響を与えることができないのである。そこで少年は次に「君も将校だろう!ただの兵でないなら大局的にものを見ろ!」というガトー少佐のありがたい言葉のもと、戦闘のリプレイ動画を撮り、他の味方はどのように動いていたのか、自分の気づかなかったところで何が起きていたのかを振り返り、味方からの通信やMAP情報などから戦局全体を察し、自分が次にするべきことをすぐに実行に移せるように練習した。
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(悲)劇的ビフォーアフター
こうして少年はただの学徒兵から一人の将校として目覚めていく。

少年✝覚醒✝

さて独学ながら時間をかけて上達していった少年はやがて覚醒の時を迎える。戦場の絆では年に3、4回ほど勢力戦というパイロットランキング決定するゲームモードが存在する。覚醒した少年は勢力戦で勝利に勝利を重ねてパイロットランキングTop100位内に上り詰めることになる。当時のランキングは公式サイトにて公開されており確認することができた。(今も残ってるかは知らないけど「Eさくや 戦場の絆」とかで検索したら出てくるかもしれない)

実はこの話には裏があってこのTop100とは「ユーザー上位100の上手さ」という意味ではなく「ユーザー上位100のやりこみ」という意味なのである。この勢力戦、敗北してもランキングポイントを稼ぐことができる(ただし勝利したときより少ないが)。つまり金さえつぎ込めば誰でもランキングに載ることはできる。しかし大人と比べて金をつぎ込めないことを考えれば多少なりは周囲より上手いという認識で誤りはないだろう。

少年✝失墜✝

ランキング上位に上り詰めたところで少年はあることを画策する。大会出場である。勢力戦の出来事で腕前に自信を持ち始めた少年はどの程度大会で通用するのかを試したくなったのである。

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当時の少年の様子2(イメージ)
店舗大会が近々行われることを知った少年は参加登録をしようとする。
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参加資格ヨシ!……ん?
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デデドン!(絶望)
当たり前だよなぁ?この戦場の絆、何度も言ってるが1vs1ではなく最低でも4vs4のゲームなのである。当時戦場の絆を一緒にプレイする仲間は4人以上はいたが、正直練度はまちまちで少年ほどガンギマリしているわけではなかった。こうして少年は大会の夢を諦めていく。

青年✝再臨✝

時は流れ少年は青年となる。青年となった少年は昔ほど戦場の絆ガンギマリしてはいなかったものの大会出場という夢をあきらめきれずにいた。青年は己の牙を研ぎ澄ませながら虎視眈々と己が野望を秘めていたのである。そんな青年のもとに過去の仲間から一報が届く。
「1人でも参加できる大会見つけたぞ」

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連絡を受ける青年
その大会は小規模なものの現地で参加者をシャッフルして4人1チームを即興で作成するというものであった。コミュ障を拗らせていた青年だったが、やっと掴んだチャンスを逃さぬべく✝対人コミュニケーション演習✝で学んだことを思い出す。即興チームながら互いの得意分野を確認し戦術を構築し、戦闘に挑んでいった。その結果……

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青年は数年越しの夢を叶えることになる。そして満足した青年は戦場から姿を消した。
(大会の様子のブログがあるので気になった人はどうぞ)

最後に

戦場の絆は人を狂わせるほど奥が深いゲームなのでみんな星と翼のパラドクスをやりましょう。
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次はアドカレはマサくんのアルトリア話です。