ようこそ幻想郷へ
RD-Soundsの概要
2005年に結成された同人音楽サークル。東方界隈での名義は「凋叶棕」(ティアオイエツォン)である。活動のほとんどが東方アレンジだったりするので凋叶棕の方が通ってるのかもしれない。
東方のCDタイトルは漢字1文字で表され、収録楽曲はそのテーマに沿った形になっている。C92までで頒布されたCDタイトルは
祭 宴 趣 謡 廻 憩 遙 綴 彩 騙 辿/誘 徒 改 薦 望 屠 奉 求 喩 密 掲 夢 虚 伝 随 音
以上27タイトルである。最近はTwitterにお品書きをしようとすると文字数制限に引っかかり始めてるのが面白い。
ホームページから各タイトルの特設ページに飛べるので内容が気になったら見てみるといいでしょう。
ここうきぃ!
CDを買ってまず目に入るのがジャケット絵!
はなだひょうさんがいつも描いています。pixivに今までのジャケット絵が公開されているので見てね。可愛らしいものからヤバいものまでそのCDの雰囲気を表す1枚を描いて下さってます。また、ブックレットも描いています。ブックレットの絵については別で画集が4冊(綜纒、二旅、三怪奇、四百四描)出ているのでそちらもどうぞ。はなだひょうさんの絵は凋叶棕さんの描く世界(ものがたり)を絶妙に表現してくれているのでより幻想郷(せかい)に没頭させてくれます。
楽曲はほとんどが原曲のメロディーをそのまま使用しません。サビで一部分を使ったり裏で流したり、楽曲中でキャラクターを表す部分だけ流したりする使い方をしています。例えば「うつろわざるもの~True Conclusion~」では(有頂天変 ~ Wonderful Heaven/幼心地の有頂天)のアレンジ曲だが3:33あたりから裏で(恋色マスタースパーク/狂気の瞳/ハルトマンの妖怪少女/少女さとり/永遠の巫女/竹取飛翔)が順に流れている。なんでこんなことしているのかは是非アルバム「遥」収録曲と歌詞を合わせて考えて欲しい。
原曲をあまり使わないスタイルによって同じアレンジ曲でも全く違った雰囲気を出すことができ、またオリジナル性が非常に高い。
歌詞もオリジナル性が高く原曲のキャラクターを描いているものもあれば、別の物語を描いているものもある。1曲1曲に物語があるために聴く小説とまで言われている。わたしが勝手にそう呼んでいるだけです。
東方の設定に、楽曲で描く物語を盛り込んで、再びキャラクターの枠に収めて表現する様はまさに理解、分解、再構築であり、東方の錬金術師でしょう。
ヴォーカルはめらみぽっぷさんが多くの楽曲を担当しています。めらみぽっぷさんの広い音域、そこから繰り出される様々なキャラクター性は登場人物を強く描く凋叶棕さんの曲に非常にマッチしており、幻想郷への没頭感を加速させます。おススメのCD
初心者向け
「謡」
ぜんぶ持っていきます。どれ一つ無下にせず。
私がここにいた証としてー
テーマは「物語」。稗田阿求が語り部としてさまざまな物語を紡ぐ1枚。テーマが物語であることから1曲1曲を独立して聴きやすい。めっちゃいい曲あるよ。
「綴」
おとなになる、ということが、どんなにつらいことでも、
わたしはきっとあきらめないからー
テーマは「軌跡を『綴』る」。ジャケットはとっても可愛いロリスアリス。アリスが生まれ、どんな成長を見せていくのかが楽しくなる1枚。また、他サークルに提供された楽曲がリアレンジ、リミックスされて収録されている。もしかしたら聴いたことある楽曲があるかもね。
「奉」
何度被弾れ 満身創痍でも 心に幻想ある限り
その幻想を残機にして
僕らは、また、飛んでいけるー
テーマは「ゲームとしての東方」。原作基準の歌詞が多く東方をプレイしたことがある人にはとても分かりやすい1枚。1つのシューティングゲームとして東方を描いた1枚なのでメタ的な部分があって面白い。
中級者向け
「遙」
この場所ならば、彼方の事がわかる気がした。
そんな幻想をどうか抱かせて欲しいー
テーマは「『遙』かなる幻想郷」。荒廃していく幻想郷が多く描かれているので全体的に曲調は重い。どこか懐かしく、原風景を思い出させるようなインスト曲は落ち着きを与えてくれる。この辺りから曲に関して考察をすると見えてくるものがある。
うつろいゆく時の流れとうつろわざる幻想郷。比那名居天子が見たものとは。
「騙」
ぼくらが、歩くこの道が、歪んでなど、いないように。
真実はきっと、そう。ただ、まっすぐに、続いているのかー
テーマは「嘘」。もう嘘ばっか。特設ページも嘘と本当のページが存在する。CDケースも開ける向きが逆になっているのでなかなか開かなくて破壊した人も少なくない。嘘がテーマなので曲調は重め。考察に関しては簡単な方かもしれない。秘封曲があるCDはヤバい。
上級者向け
「改」
ーこういう可能性も、あったかも。そんな雰囲気で、
あらたに、あらため、あらためました!
テーマは「番外編」。過去の収録曲のリアレンジがされている。曲調が再編されてるだけでなく物語の再編まで行われている。むしろ内容が正反対のものになっていたりする。上級者向けと言っているのはリアレンジされる前の曲を知っていた方がより楽しめる1枚だから。
「綴」で子供だったアリスは「改」ではマーガトロイドになっている。
「屠」
おかえり、楽園へ!
テーマは「恐怖」。もうジャケットから嫌な予感しかしない。
「凋叶棕史上最悪の謝罪案件」
と言われている。恐怖がテーマであり、おどろおどろしい曲ばっかと思いきや、そうでもなく、恐怖に立ち向かう勇気といった方面で明るく表現されている曲もある。C62版蓬莱人形のブックレットを元ネタとする曲があり、非常に闇が深い。蓬莱人形で是非検索かけてみてね。闇が深い分考察する余地が多く、多くの人を考察沼に叩き落した。何人かはSAN値を失った。
きらきらきらりん!
「密」
テーマは「秘密」。ジャケットがすでにThe 不穏。
「100年に1度の謝罪案件」
と言われている。「屠」で一体なにを反省したのか。ブックレットが1枚1枚分かれていて表の顔を表す面と隠されている秘密を表す面がある。秘封曲があるCDはヤバイ。
さぁ幻想少女たちの隠された秘密を曝け!秘密とはそのためにあるのだから。
おわりに
ただ思ったことをつらつらと書いたものなので読みにくかったりあまり魅力が伝わらなかったらごめんなさい。考察なんか別にしなくても曲は曲として十分楽しめます。
CDは「祭」(絶版)を除く現在まで頒布されているもの全てと、はなだひょうさんの凋叶棕に関する画集4冊、凋叶棕を元とする同人小説(3次創作)3冊を持っているので興味がある人がいたらどんどん布教していきたいと思います。